特発性ヘモジデローシス
私たちの施設には、ごく稀な病気を持っている子がいます。
100万人に1人の確立で発症する
不治の病・・・
肺ヘモジデローシス。
この子をみんなは「しんちゃん」って呼んでいます。
今は養護学校高等部1年生。
昨年、受験時期にこの病気が突然発症したため志望校を諦め
養護学校を受験しました。
ではこの不治の病がどんな病気なのか
説明したいと思います。
と~っても長くて難しい説明ですが、是非読んで下さい。
病因
肺ヘモジデローシスは肺毛細血管から肺胞内や肺間質へ出血をくり返し、その結果としてヘモジデリンが肺組織に沈着した状態を総称した疾患群である。その発症頻度はまれとされ、小児領域では10歳未満で発症することが多く、性差はない。
原発性ヘモジデローシスは主に以下の3疾患からなる。肺出血のみで病因の直接的な証明がなされていないものを特発性ヘモジデローシス(idio-pathic pulmonary hemosiderosis:IPH)とよび、小児科領域では最も頻度が高い。その治療でステロイド薬や免疫抑制薬が有効なことがあり、何らかの免疫学的機序がその発症に関与していると推察されている。その他に牛乳アレルギーに伴うHeiner諸侯群、肺出血に糸球体腎炎が合併し抗基底膜抗体が陽性のGoodpature諸侯群がある。
二次性ヘモジデローシスは、自己免疫疾患・出血傾向・心臓病などの疾患の合併症として発症するものである。薬剤(D-penisillamineなど)やCeliac病もその原因となりうる。また一時期、真菌Stachybotrys chartarumが乳児の肺出血の病因として騒がれたが、現時点ではその正確な関連は不明である。
臨床徴候
肺出血による呼吸器症状と貧血の症状の組み合わせとして説明される。
肺出血が多量の場合には呼吸困難、喀血、血痰、咳嗽などの呼吸器症状が全面にでる。一方、出血量が少量である場合には咳嗽、顔色不良、倦怠感程度の症状しか現れない場合がある。体重増加不良や原因不明の貧血を主訴とする場合もある。治療反応性不良の鉄欠乏性貧血をみた場合にはヘモジデローシスを疑う必要がある。急性期には発熱を伴うことが多い。そのため喀血、血痰が明らかでない場合には肺炎と間違われることも多い。胸部X線写真では肺区域に一致しない多発性浸潤影をとる場合が多く、経時的変化が通常の肺炎と比較して早い。このような異常陰影を認めた場合には注意が必要である。
間欠期にはまったく無症状の症例ある。再燃をくり返すたびに組織障害が進行し肺線維症に至る。そのような経過の長い症例では多呼吸、呼吸困難、慢性咳嗽が出現する。さらに進行すると肺高血圧に伴う右心不全に至る。
急性期の大量出血と右心不全は、肺ヘモジデローシスの2大死亡原因である。
予後
以前は発症後の平均寿命が3年とされ予後不良の疾患とされていた。しかし、最近の報告によれば適切な治療により予後はかなり改善してきている。長期に間解状態が維持される症例も散見される。
症状経過、検査所見ともに予後判定に確実に有用なものは現時点ではない。ただし、ANCAや他の自己抗体の陽性所見は予後不良の指標である可能性を示唆する報告がある。
《参考文献》
小児内科Vol.34増刊号2002 肺ヘモジデローシス 肥沼五郎 著
今年の1月の終わりから「血の味が口からする」って言って、
とっても調子が悪くなり、2月の上旬まで学校を欠席していました。
絶対安静なんです。。。
今は調子を取り戻しました。
頑張れ「しんちゃん」
100万人に1人の確立で発症する
不治の病・・・
肺ヘモジデローシス。
この子をみんなは「しんちゃん」って呼んでいます。
今は養護学校高等部1年生。
昨年、受験時期にこの病気が突然発症したため志望校を諦め
養護学校を受験しました。
ではこの不治の病がどんな病気なのか
説明したいと思います。
と~っても長くて難しい説明ですが、是非読んで下さい。
病因
肺ヘモジデローシスは肺毛細血管から肺胞内や肺間質へ出血をくり返し、その結果としてヘモジデリンが肺組織に沈着した状態を総称した疾患群である。その発症頻度はまれとされ、小児領域では10歳未満で発症することが多く、性差はない。
原発性ヘモジデローシスは主に以下の3疾患からなる。肺出血のみで病因の直接的な証明がなされていないものを特発性ヘモジデローシス(idio-pathic pulmonary hemosiderosis:IPH)とよび、小児科領域では最も頻度が高い。その治療でステロイド薬や免疫抑制薬が有効なことがあり、何らかの免疫学的機序がその発症に関与していると推察されている。その他に牛乳アレルギーに伴うHeiner諸侯群、肺出血に糸球体腎炎が合併し抗基底膜抗体が陽性のGoodpature諸侯群がある。
二次性ヘモジデローシスは、自己免疫疾患・出血傾向・心臓病などの疾患の合併症として発症するものである。薬剤(D-penisillamineなど)やCeliac病もその原因となりうる。また一時期、真菌Stachybotrys chartarumが乳児の肺出血の病因として騒がれたが、現時点ではその正確な関連は不明である。
臨床徴候
肺出血による呼吸器症状と貧血の症状の組み合わせとして説明される。
肺出血が多量の場合には呼吸困難、喀血、血痰、咳嗽などの呼吸器症状が全面にでる。一方、出血量が少量である場合には咳嗽、顔色不良、倦怠感程度の症状しか現れない場合がある。体重増加不良や原因不明の貧血を主訴とする場合もある。治療反応性不良の鉄欠乏性貧血をみた場合にはヘモジデローシスを疑う必要がある。急性期には発熱を伴うことが多い。そのため喀血、血痰が明らかでない場合には肺炎と間違われることも多い。胸部X線写真では肺区域に一致しない多発性浸潤影をとる場合が多く、経時的変化が通常の肺炎と比較して早い。このような異常陰影を認めた場合には注意が必要である。
間欠期にはまったく無症状の症例ある。再燃をくり返すたびに組織障害が進行し肺線維症に至る。そのような経過の長い症例では多呼吸、呼吸困難、慢性咳嗽が出現する。さらに進行すると肺高血圧に伴う右心不全に至る。
急性期の大量出血と右心不全は、肺ヘモジデローシスの2大死亡原因である。
予後
以前は発症後の平均寿命が3年とされ予後不良の疾患とされていた。しかし、最近の報告によれば適切な治療により予後はかなり改善してきている。長期に間解状態が維持される症例も散見される。
症状経過、検査所見ともに予後判定に確実に有用なものは現時点ではない。ただし、ANCAや他の自己抗体の陽性所見は予後不良の指標である可能性を示唆する報告がある。
《参考文献》
小児内科Vol.34増刊号2002 肺ヘモジデローシス 肥沼五郎 著
今年の1月の終わりから「血の味が口からする」って言って、
とっても調子が悪くなり、2月の上旬まで学校を欠席していました。
絶対安静なんです。。。
今は調子を取り戻しました。
頑張れ「しんちゃん」
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